【要約】“それ”は在る|自分を苦しみから解放する究極の目覚め

“それ”は在る ある御方と探求者の対話 哲学・生き方

こんにちは、年間100冊の本を読む40代キャリアカウンセラーのほんまるです。

「どうして自分ばかり、こんなに苦しいんだろう……」
「変わりたいのに、どうしても同じパターンを繰り返してしまう……」

そんなふうに、出口の見えない暗闇の中にいるような感覚に陥ったことはありませんか?

実は、私自身がそうでした。キャリアの迷走、うつ、そして震災という命の危機。絶望の淵に立たされた私を救い上げ、視界を180度変えてくれたのが、今回ご紹介する一冊です。

ヘルメス・J・シャンプ著、『“それ”は在る ある御方と探求者の対話』。この本は、単なるスピリチュアルの本ではありません。私たちが抱える苦しみの「正体」を暴き、そこから抜け出すための「命綱」となる知恵が詰まっています。

ページをめくるたびに、心が震えるような衝撃と、深い安らぎが同時に訪れるはずです。それでは、深淵なる対話の世界へご案内します。

“それ”は在る ある御方と探求者の対話

タイトル“それ”は在る ある御方と探求者の対話
著者ヘルメス・J・シャンプ
出版社ナチュラルスピリット
発売日2013年3月(電子版2016年11月)

 

「自分」という荷物を下ろしたとき、真実が姿を現す

本書の結論は、驚くほどシンプルで、かつ衝撃的です。

「私(自我)」とは思考が作り出した幻想であり、実在しない。

私たちが「自分」だと思い込み、必死に守り、高めようとしている存在は、実は実体のない幽霊のようなものです。その幻想に気づき、ただ「在る(Being)」という感覚に留まるとき、私たちは初めて、条件のない至福と完全な自由を手にすることができるのです。

この本は、こんなあなたにこそ読んでほしい

  • 「本当の自分」が何なのか分からず、常に不安を感じている人
  • 自己啓発本を読んでも、一時的な安心しか得られなかった人
  • 過去のトラウマや、未来への恐怖に押しつぶされそうな人
  • 人生には「隠された脚本」があるのではないか、と感じている人
  • あらゆる努力に疲れ果て、心からの平安を求めている人

『“それ”は在る』が教える「目覚め」への3つのステップ

1. 「私」という思考の正体を見破る

私たちは普段、「私は考えている」「私は行動している」と信じて疑いません。しかし、著者はそれを「ジョーク」だと切り捨てます。なぜなら、思考は私たちの意志でコントロールしているものではなく、勝手に湧き上がってくるものだからです。

思考は〈本当の私〉ではない、と知ることなのだ。〈私〉は、思考を自分だと思っている。あるいは、自分のもの、自分の機能など、そのように考えている。だが、そうではない。思考は〈本当の私〉でもなければ〈本当の私のもの〉でもないのだ。

出典:『“それ”は在る』

思考が現れる瞬間を注意深く目撃すると、そこに「考えている私」は存在せず、「ただ思考が起きている」という事実に気づきます。この「思考との自己同一化」を外すことこそが、自由への第一歩です。思考に巻き込まれず、ただ見守ることで、私たちは幻想から目覚め始めるのです。

2. 世界はあなたの「観念」を映し出す鏡である

本書の核心的な主張の一つに、「世界に客観的な問題は存在しない」というものがあります。目の前の出来事を「悪いことだ」「不幸だ」と判断しているのは、私たちの中にある「観念」に過ぎません。

例えば、誰かに悪口を言われたとき、怒りを感じるのは「悪口は悪いことだ」という観念があるからです。世界は、あなたがどのような観念を握りしめているかを、「出来事」という鏡を通して教えてくれているのです。

出来事に対して価値判断をせず、ただあるがままに観る。これを著者は「聖なる無視」あるいは「赦し」と呼びます。私たちが意味づけをやめたとき、世界は本来の純粋無垢な姿を現し、問題は消失します。

3. 自由意志の不在と「神の子」としての選択

「自分には自由意志がある」という思い込みは、自我にとって最も手放しがたい砦です。しかし、本書では「全てはすでに書かれている(脚本通り)」という衝撃的な事実が語られます。

「自分が決めた」と思っていることも、実は過去の条件付けややってきた思考による反応に過ぎません。これを聞くと、束縛されているように感じるかもしれません。しかし、著者はこう説きます。

「神の子(実在)」を選んだ時だけに、本当の自由を手にすることができる。

自分を「不完全な人間」だと思うか、それとも「完璧な在るもの(神の子)」として留まるか。この「実在へのフォーカス」だけが、唯一私たちに与えられた選択権なのです。全てが完璧な脚本通りであると降参(明け渡し)したとき、私たちは肩の荷を下ろし、無限の安心感に包まれることになります。

私が実際に試して変わったこと:地獄から天国への視点移動

この本に出会う前の私は、まさに「被害者意識の塊」でした。震災後の生活再建、仕事の重圧、そして自分の不甲斐なさ。毎日、心の中で自分を責め、環境を呪い、将来への不安で呼吸が浅くなっていました。「私はこんなに頑張っているのに、なぜ報われないのか」と、常に「不完全な自分」を埋めるための努力を続けていたのです。

そんな中、本書の「あなたは思考ではない。ただ、在るだけでいい」という言葉を、オーディブルで繰り返し聴き続けました。最初は意味が分かりませんでした。でも、ある晩、パニックに近い不安に襲われたとき、ふと思い出したのです。「この不安を感じている『私』を、後ろから眺めている意識がある」ということに。

私は実験的に、湧き上がる思考に対して「あ、また『不安だ』という思考が流れてきたな」と名前をつけ、ただ眺めるようにしました。そして、著者が勧めるように、自分の胸の中心に意識を向け、そこにある静寂を感じようと努めました。

すると、信じられないことが起きました。周囲の状況は何も変わっていないのに、「私は今、ただ存在しているだけで完璧なのだ」という圧倒的な安心感が、胸の奥から湧き上がってきたのです。

「不完全な自分を救う」ための努力をやめた瞬間、皮肉なことに、私は最も救われました。「起きたことはすべて脚本通りであり、私に責任はない。ただ、それをどう観るかだけが私の自由だ」と思えたとき、長年抱えていた心の重荷が、文字通り消え去ったのです。

明日からできるアクション

本書が説く「在る」への目覚めは、今日からこの瞬間から始められます。まずは、以下の3つのステップを試してみてください。

  • 思考が浮かんだ瞬間を「あ、今浮かんだ」と目撃する(思考と距離を置く)
  • 嫌な出来事が起きた時、「私はこれにどんな意味づけをしているのか?」と自問する
  • 1日数回、胸の中心(聖心)に意識を向け、そこにある静寂をただ感じる

まとめ:あなたはすでに、天国にいる

ヘルメス・J・シャンプ氏は、本書の最後でこう語っています。

「天国に在りながら、なぜ天国を求めて地獄を歩くのか」

私たちは皆、すでに完璧な存在として、今この瞬間に在ります。ただ、思考という霧がそれを隠しているだけなのです。あなたが「自分をどうにかしよう」という努力を諦め、ただ「在る」ことに留まるとき、そこがそのまま天国であることに気づくでしょう。

この本は、一生をかけて読み返す価値のある一冊です。もしあなたが今、人生の重荷に疲れ果てているなら、どうかこの「ある御方」の言葉に耳を傾けてみてください。あなたが探し求めていた「答え」は、すでにあなたの中に在るのですから。

  • 『道化師の石(ラビス)』ヘルメス・J・シャンプ 著:本書の教えをさらに深め、独自の物語として表現した一冊。
  • 『あるがままに ― ラマナ・マハルシの教え』デヴィッド・ゴッドマン 編:本書の著者が深く影響を受けた、インドの聖者ラマナ・マハルシの不滅の教え。

あなたの明日が、ほんの少しでも光に満ちたものになることを心から願っています。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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