【要約】感情を出したほうが好かれる|我慢をやめて愛される心理学

感情を出したほうが好かれる 人間関係・コミュニケーション

こんにちは、年間100冊の本を読む40代キャリアカウンセラーのほんまるです。

あなたは今、こんな「空しさ」を感じていませんか?

  • 「誰に対しても真面目に接しているのに、なぜか軽く扱われてしまう」
  • 「嫌われないように気を遣っているはずなのに、心はいつも孤独だ」
  • 「弱音を吐かずに頑張っているけれど、時々、消えてしまいたくなる」

実は、かつての私も全く同じ場所にいました。仕事の重責に耐え、倒産や地震という困難に直面しても、周囲には「大丈夫です」と明るく振る舞い続けてきたのです。しかし、心は悲鳴を上げ、ついには「うつ」を経験しました。

そんな暗い霧の中にいた私を救い上げ、「もう、自分を裏切らなくていいんだ」と教えてくれたのが、加藤諦三先生の本書でした。

この本は、単なる気休めの癒やしではありません。あなたの優しさがなぜ空回りするのか、その残酷なまでの心理的構造を暴き出し、「本当の自分」を取り戻すための強烈なエネルギーを授けてくれます。今日、この記事に出会ったことが、あなたの人生の「重荷」を下ろすきっかけになることを願っています。

感情を出したほうが好かれる

タイトル感情を出したほうが好かれる
著者加藤諦三
出版社三笠書房(知的生きかた文庫)
発売日2013年1月31日(文庫版)

 

本書のサマリー(結論)

人生がうまくいかない最大の原因は、「弱点や本音を隠すことに全エネルギーを消耗していること」にあります。

他人の期待に応える「偽りの自分」を捨て、嫌われる勇気を持って感情をさらけ出すとき、人は初めて内面的な強さを得て、結果として周囲からも深く愛されるようになるのです。

どんな人に読んでほしいか

  • 「NO」と言いたいのに、反射的に「YES」と言ってしまう人
  • 尽くしている相手から、感謝されるどころか雑に扱われている人
  • 明るく振る舞っているけれど、一人の時間は深い虚無感に襲われる人
  • 「自分には価値がない」という自己蔑視の感覚から抜け出したい人

【要約】感情を出したほうが好かれる

1. なぜ「真面目な人」ほど人生が空回りするのか

著者の加藤氏は、冒頭から衝撃的な問いを投げかけます。なぜ、不真面目に見えるあいつが評価され、こんなに必死に努力している自分が不運続きなのか、と。

その答えは、「修羅場(人生の重荷)から逃げた後で、真面目に生きているから」です。ここでの修羅場とは、自分のズルさ、弱さ、そして「嫌われるかもしれないという恐怖」に正面から向き合う場面を指します。

人生の重荷を背負うとは、もう自分の弱点ややましさを隠すことにエネルギーを使わないということでもある。隠すことにばかりエネルギーを使っていると、何も生産的なことをしないで、消耗して燃え尽きてしまう。(本文より引用)

 

真面目すぎる人は、自分の内面にあるドロドロとした感情を隠すために、外側だけ「立派な人」を演じます。

しかし、心の中では逃げた自分を知っているため、いつもビクビクしており、自信が持てないのです。「隠して生きる努力」は、ずるい人に利用されるだけで、誰からも尊敬を得られません。

2. 不安の防衛としての「明るいふり」を捨てる

周囲に関心を引くために明るく振る舞うことを、加藤氏は「防衛的性格としての明るさ」と呼びます。これは本当の明るさではなく、見捨てられる不安から自分を守るための仮面です。

  • 前から見ると明朗だが、後ろ姿がものすごく寂しい。
  • つまらないのに「面白い」と言い、内心怒っているのに笑顔で応じる。
  • 「自分を出したら嫌われる」という根拠のない思い込みに支配されている。

このように自分の本性を偽って支配的な相手に適応すると、人はやがて「感動する能力」までも失ってしまいます。自分を出すということは、何か特別なパフォーマンスをすることではなく、「ただリラックスして、椅子の座り方さえ意識しないで相手と話すこと」なのです。ありのままの自分を出している人の方が、実は相手に深い安心感を与え、好感を持たれます。

3. 「かたち」だけの尽くしには「こころ」が入っていない

本書で繰り返し説かれるのが、「かたち」と「こころ」の違いです。「これだけのお金を払った」「これだけの世話をした」というのは、全て外側の「かたち」に過ぎません。

「こんなに尽くしているのに報われない」と嘆く人は、実は相手と心を通わせることから逃げ、物質的・形式的な献身で「好意を買おう」としています。これは一種の「自己執着」であり、相手をコントロールしようとするズルさに通じます。

例えば、高いおもちゃを買い与える親よりも、安いおもちゃを「これ喜ぶかな」と笑いながら一緒に選ぶ親の方が、子供の心には深く残ります。相手に尽くすことよりも、自分の「こころ」をオープンにすることこそが、本当の信頼関係(ラポール)を築く鍵なのです。

4. 「嫌われる勇気」が真の自信と人望を生む

著者は、ある有名人のエピソードを紹介しています。彼は周囲に飴をばらまき、常にご馳走することで人の気を引いていましたが、いつも「見捨てられる不安」に怯えていました。しかし、ある時、どうしても言いにくい「断り」の電話を入れなければならなくなった際、著者はこうアドバイスします。「謝りに行く。それが本当に好かれる方法なんですよ」と。

良い話を持っていく時よりも、相手にとって不愉快な話を、誠意を持って伝えに行く時の方が、人間関係は深まります。なぜなら、そこに「嘘」がないからです。

「ノー」と言っても好かれる人は、自分の責任から逃げず、その場その場の気まずさを引き受けています。逆に「イエス」と言っても好かれない人は、自分の評判を守るために嘘をついているのです。「嫌われることを恐れずに、自分の判断で行動し、その結果に責任を負うこと」。この積み重ねだけが、あなたの中に揺るぎない自信を育てます。

5. 弱さを受け入れることは「新しい人生」への第一歩

「強い人」とは、弱点がない人のことではありません。「弱点が出ても、その場で心理的に混乱しない人」のことです。弱点を隠そうとして必死にエネルギーを消耗するのをやめ、「自分はこんなところがダメなんです」と笑えるようになると、あなたの周りには自然と温かい人が集まり始めます。

加藤氏は、「感情を出したほうが救われる」と断言します。

  • 他人の評判を気にするのをやめ、自分の「心のモノサシ」で生きる。
  • 不満ばかりの悪口集団から抜け出し、自分から明るい人を求めていく。
  • 「自分は運に見放されている」という被害者意識を捨て、現在の困難(修羅場)に正面から立ち向かう。

これらのアクションは、最初は胃が痛むほど苦しいかもしれません。しかし、その「逃げない勇気」こそが、あなたの人生を曇らせていた霧を一気に晴らしてくれるのです。

私が実際に試して変わったこと(感想・体験談)

この本を読み終えた時、私はカウンセリング室の椅子でしばらく動けませんでした。まさに「私のことが書いてある」と。当時の私はキャリアカウンセラーとして、クライアントの悩みを聞き、完璧なアドバイスをしようと必死でした。しかし、心の中では「もし、うつを経験した頼りないカウンセラーだと思われたら……」と、自分の過去を隠し、防衛的な態度をとっていたのです。

そんな中、あるクライアントの方が「自分には価値がない。何をしても失敗ばかりだ」と涙を流されました。いつもなら理論的な心理学の言葉で慰める私ですが、この日は本書の言葉が背中を押しました。

私は、自分の喉が震えるのを感じながら、こう言いました。「実は私も、うつで仕事ができなくなり、一歩も動けない時期がありました。今でも不安で眠れない夜があるんです」と。自分の「弱点」をさらけ出した瞬間です。

すると、相手の方は驚いた顔をされ、その後、私をじっと見つめて「先生も同じだったんですね……なんだか、すごく安心しました」と、初めて本音の笑顔を見せてくれたのです。

アドバイスをしていた時よりも、自分の弱さを認めた時の方が、相手の心に深く届く。この強烈な成功体験が、私を救いました。以来、私は「完璧な自分」を演じるのをやめました。感情を出し、弱さを見せることで、以前よりずっと深い人間関係を築けるようになり、仕事もプライベートも、驚くほど楽に回り始めたのです。

明日からできるアクション

  • 反射的に「YES」と言いそうになった時、3秒だけ黙って「本当の自分の気持ち」を確認してみる。
  • 信頼できる誰か一人に、「実は私、こういうところが苦手(不安)なんです」と、あえて弱みを見せてみる。
  • 「〜してあげている」という見返りを求める気持ちが出たら、一旦その親切をストップし、自分の心を満たすことを優先する。
  • 不平不満や悪口ばかり言っているコミュニティから、意識的に距離を置く。
  • 気まずいと感じている相手にこそ、ごまかさずに自分の「今の素直な感情」を伝えてみる。

まとめ

私たちは、「良い子」でいれば愛され、努力すれば報われると信じてきました。しかし、加藤諦三先生が教えてくれるのは、その正反対の真実です。「自分を裏切ってまで手に入れた好意は、あなたを救わない」ということです。

ありのままの自分を出すことは、確かに怖いです。嫌われるかもしれないし、軽蔑されるかもしれない。しかし、その「修羅場」を突き抜けた先にしか、本当の安らぎはありません。

もう、後ろ姿が寂しい「明るいふり」はやめませんか? あなたが弱さを認め、感情をさらけ出すとき、世界は驚くほど優しくあなたを包み込んでくれるはずです。かつて一冊の本が私の命を救ってくれたように、本書の言葉たちが、あなたの明日を照らす光になることを心から願っています。

「あなたは、そのままで愛される価値がある」。

そのことに、どうか気づいてください。

関連書籍

  • 『自分を嫌うな』加藤諦三(著)
  • 『もっと「強気」で生きたほうがうまくいく』加藤諦三(訳)/ジョージ・ウェインバーグ(著)
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