【要約】生きていくことの意味|絶望を「最高のギフト」に変える9つのヒント

生きていくことの意味 ビジネススキル・働き方

こんにちは、年間100冊の本を読む40代キャリアカウンセラーのほんまるです。

「どうして自分ばかり、こんなに辛い思いをしなければならないのか」
「人生に、もうこれ以上の希望なんて持てない」

そんなふうに、真っ暗な海の底を彷徨っているような気持ちで、この記事に辿り着いた方もいらっしゃるかもしれません。

実は、私自身もかつて同じ場所にいました。会社の倒産、うつ病の経験、そして震災……。次々と押し寄せる逆境に、何度「もう終わりだ」と叫んだか分かりません。でも、そんな私を暗闇から救い出してくれたのが、本書『生きていくことの意味』でした。

著者の諸富祥彦先生は、日本のトランスパーソナル心理学の第一人者です。本書は、小難しい理論ではなく、私たちが今日から「明日も生きてみよう」と思えるための、実践的な心の技術を教えてくれます。

生きていくことの意味

タイトル生きていくことの意味 トランスパーソナル心理学・9つのヒント
著者諸富祥彦
出版社PHP研究所(PHP新書)
発売日2000年1月17日

 

本書のサマリー(結論)

本書が伝えたいメッセージは、あまりに力強く、そして優しいものです。
「人生で起きる出来事には、どんなことにも意味がある。逆境こそ、私たちが魂の成長を遂げるための最大のチャンスである」ということ。

問題や病気を「敵」として排除するのではなく、その「言い分」に耳を傾けることで、私たちは真の意味で自分を肯定し、生き直すことができるのです。

どんな人に読んでほしいか

  • 現在、仕事や家庭で大きな壁にぶつかり、立ち止まっている人
  • 病気や慢性の体調不良を抱え、自分を責めてしまっている人
  • 「生きる意味とは何か?」という根源的な問いに答えが見つからない人
  • 他人と比較してしまい、自己肯定感が持てずに苦しんでいる人

【要約】人生の「闇」から光を見出すための心の作法

1. あなたが人生を問うのではない。「人生」があなたを問うている

著者の諸富先生が人生を支える柱として紹介しているのが、ヴィクトール・フランクルの心理学です。フランクルはナチスの強制収容所という地獄を生き延びた精神科医。彼はこう言いました。

人間が人生の意味は何かと問う前に、人生のほうが人間に問いを発してきている。だから人間は、ほんとうは、生きる意味を問い求める必要なんかないのである。
出典:諸富祥彦『生きていくことの意味』

私たちはつい「なぜこんな目に遭うのか?」と空を見上げて問いかけますが、逆なのです。起きた出来事に対して、「今、この状況であなたは何をしますか?」と人生から問われているのです。

どんな過酷な運命であっても、その運命に対して「どういう態度をとるか」という自由だけは、誰にも奪えません。この「態度価値」を知るだけで、私たちの背筋はスッと伸びます。

2. 弱音を吐き、助けを求めるのは大切な「能力」である

現代人は、まじめで責任感が強い人ほど、一人で抱え込んで自滅してしまいます。しかし、本書は驚くべきことを教えてくれます。

「弱音を吐くことは、一つの生きる能力である」ということです。

カウンセリングの神様と言われるカール・ロジャーズでさえ、中年期の危機で部下にカウンセリングを求めたというエピソードが紹介されています。「助けて」と言えることは、決して恥ではなく、この厳しい時代を生き抜くための「タフなスキル」なのです。

3. 病気や悩みは、人生からの「招待状」

本書の後半で詳しく解説される「プロセス指向心理学(POP)」の考え方は、まさにコペルニクス的転回です。アーノルド・ミンデルが提唱したこの手法では、肩コリや頭痛、あるいは「やめたくてもやめられない習慣」さえも、自分自身が気づくべき大切なメッセージを運んでくる「使者」と考えます。

  • 病気の気持ちになってみる
  • 嫌いな人の立場に立って自分を見てみる

このように、排除したい存在に敢えてなりきることで、私たちは「これまで無視し続けてきた、自分自身の隠れた一部」に出会います。不登校や病気が、実は「本当の自分」を生きるための強烈なエネルギーに満ちていることに気づくのです。

4. 私たちは「宇宙の自己進化」の一部である

少し視座を高くしてみましょう。ケン・ウィルバーの思想を借りて、本書は「宇宙における人間の位置」を語ります。

宇宙はただの物質の塊ではなく、百数十億年かけて生命を育み、ついに「心」や「魂」を持つ人間を生み出しました。つまり、私たち人間は「宇宙が自らを見つめるための眼」なのです。

あなたは、ただ生きているだけで偉い。宇宙が自らを知るための、かけがえのない大切な一部なのだから。この壮大な視点に立つと、ちっぽけな悩みすらも「宇宙の呼吸」のように感じられてくるから不思議です。

私が実際に試して変わったこと:倒産という「闇」に光を見た日

数年前、私が勤めていた会社が突然倒産しました。当時、私は40代半ば。家族を養う責任と、明日からの生活費。情けない話ですが、私は文字通り「真っ白」になり、しばらく部屋の隅でうずくまっていました。「どうして、真面目に働いてきた自分がこんな目に……」という被害者意識でいっぱいだったのです。

そんな時、オーディブルで本書を繰り返し聴きました。特に心に刺さったのが、「問題の側に立ってみる」というワークでした。

私は「倒産という出来事の気持ち」になりきってみました。目をつぶり、もし自分が「倒産」という使者だとしたら、私(ほんまる)に何を伝えたいのか。すると、心の奥底からこんな声が響いてきたのです。

「お前、ずっと今の仕事に魂を売っていたよな。本当は、もっと別の形で人の役に立ちたかったんじゃないのか? 会社にしがみついていたお前の足を、俺(倒産)が無理やり引き剥がしてやったんだよ」

その瞬間、涙が止まりませんでした。倒産は、私を破滅させるための不幸ではなく、本当の自分を取り戻すための「強制終了」だったことに気づいたのです。

それからの私は、ハローワークに通う自分を「宇宙の進化のプロセス」として受け入れることができました。失業期間中に心理学を深く学び直し、今はキャリアカウンセラーとして、かつての私と同じように悩む方々の伴走をしています。あの倒産がなければ、今の幸せな私はいません。最悪の出来事は、実は最高のギフトだったのです。

明日からできるアクション

本書の知恵を日常に活かすための、スモールステップを提案します。

  • 「弱音を吐く時間」を1日5分だけ作る:家族や信頼できる友人に、アドバイスを求めず「ただ聴いてほしい」と頼んで、心の内を吐き出してみましょう。
  • 今ある「体の不調」に感謝を伝えてみる:肩コリや目の疲れに対して、「私に何を教えてくれようとしているの?」と優しく話しかけてみてください。
  • 「嫌いな人」の真似をこっそりしてみる:その人の話し方や姿勢を一人で真似してみると、自分の中の「抑圧していたエネルギー」が解放されるのを感じるはずです。

まとめ:あなたの人生の「宿題」を愛するために

本書の終盤、エリザベス・キューブラ・ロスの言葉が引用されています。私たちはこの地球に、ある種の「宿題」を済ませるためにやってくる。そして宿題を終えた時、肉体を脱ぎ捨てて、蝶のように羽ばたいていくのだ、と。

今、あなたが抱えている悩み。それは、あなたが今世で向き合うべき「大切な宿題」なのかもしれません。

どんなに苦しくても、これだけは忘れないでください。
「人生は、決してあなたを見捨ててはいない」ということを。

この本は、単なる知識ではなく、あなたが再び立ち上がるための「命綱」になります。ぜひ、一度手にとって、行間に込められた温かい眼差しを感じてみてください。

あなたの人生という物語が、ここから美しく輝き始めることを心から願っています。

最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。

関連書籍

  • 『トランスパーソナル心理学入門』諸富祥彦(講談社現代新書)
  • 『夜と霧』ヴィクトール・フランクル(みすず書房)
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