【要約】あなたのカウンセリングがみるみる変わる!:感情を癒す「AEDP」の魔法とは?

あなたのカウンセリングがみるみる変わる! 感情を癒す実践メソッド カウンセリング

こんにちは、年間100冊の本を読む40代キャリアカウンセラーのほんまるです。

突然ですが、あなたは「ネガティブな感情」を感じたとき、どうしていますか?

「泣いてはいけない」「怒ってはいけない」と、心の奥底にギュッと押し込めて、平気なフリをしてやり過ごしていませんか。

実は私自身、ずっとそうやって生きてきました。
うつやパニック障害に苦しんだときも、震災で命の危機を感じたときも、「弱音を吐いたら崩れてしまう」と信じ込んでいたんです。

でも、今回ご紹介する本に出会い、その考えが180度変わりました。

「人は、一人きりで感情に向き合うから壊れてしまう。
でも、誰かと一緒なら、どんなに辛い感情も『変容のエネルギー』に変えられる」

もしあなたが、誰にも言えない孤独や痛みを抱えているなら、あるいは、大切な人の心を癒したいと願っているなら。
この本は、間違いなくあなたにとっての「救いの書」になるはずです。

あなたのカウンセリングがみるみる変わる! 感情を癒す実践メソッド

タイトルあなたのカウンセリングがみるみる変わる! 感情を癒す実践メソッド
著者花川 ゆう子
出版社金剛出版
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サマリー(結論)

まず、本書の核心をお伝えします。

  • 人の心は「理屈」や「分析」だけでは変わらない。「安心安全な関係性」の中で「感情」を十分に味わい尽くしたとき、劇的な変容が起こる。
  • 私たちの中には、生まれつき「治りたい」「成長したい」という力(トランスフォーマンス)が必ず眠っている。
  • セラピスト(あるいは支援者)の役割は、相手を一人にせず、「その感情、一緒に感じるよ」と隣に居続けることである。

どんな人に読んでほしいか

  • 対人支援職(カウンセラー、看護師、教師など)で、相手の心にどう寄り添えばいいか迷っている人。
  • 過去のトラウマや、どうしても消えない「生きづらさ」を抱えている人。
  • 子育てやパートナーシップにおいて、相手との深い信頼関係を築きたい人。
  • 「感情的になるのは弱いことだ」と自分を責めてしまいがちな人。

本の要約:感情と関係性が奇跡を起こす「AEDP」の世界

本書は、ニューヨークで活躍する心理療法家・花川ゆう子さんが、「AEDP(加速化体験力動心理療法)」という手法を日本人向けに解説した実践の書です。

専門書ではありますが、そこに書かれているのは「人間とは何か」「愛とは何か」という普遍的な真理。
専門家だけでなく、人間関係に悩むすべての人に役立つ知恵が詰まっています。

1. 「独り」だから怖い。「一緒」なら癒される(アタッチメント理論)

本書の最大のメッセージは、「人から受けた傷は、人とのふれあいでしか癒されない」ということです。

私たちは辛いことがあると、つい「自分一人で解決しなきゃ」「誰にも迷惑をかけたくない」と殻に閉じこもりがちですよね。
しかし、著者はこう断言します。

クライエントが独りでは絶対行けないと思っている、暗くて怖い心の場所にセラピストが同行するとき、深い癒しが起こってくるのです。
(本書より引用)

AEDPのベースにあるのは「アタッチメント理論(愛着理論)」です。
人は、安心できる「安全基地(セキュアベース)」があって初めて、外の世界を冒険したり、自分の内面の恐ろしい感情を探検したりできます。

つまり、「私はここにいて、あなたのことを支えていますよ。独りにはしませんよ」というメッセージが相手に伝わった瞬間、人はこれまで直視できなかった深い悲しみや怒りに向き合う勇気を持てるのです。

「依存させるのが怖い」と思うかもしれませんが、著者は「お腹がいっぱいになったら自然と食べなくなるのと同じで、愛着のニーズを満たせば、人は自立していく」と説いています。
依存ではなく、自立のためのエネルギー補給なんですね。

2. 「防衛」の裏にある「コア感情」を見つける

私たちは普段、本当の気持ちを感じないように「防衛」しています。
例えば、本当は悲しいのに「平気だよ」と笑ってしまったり(防衛的笑顔)、寂しいのに怒鳴ってしまったり。

しかし、本書では「コア感情(Core Emotions)」こそが、人を変容させるカギだと語られます。

  • 防衛感情:自分を守るための感情(不安、恥、偽りの怒りなど)。感じ続けても癒されない。
  • コア感情:生き生きとした真実の感情(純粋な悲しみ、怒り、喜び、恐怖など)。

重要なのは、「コア感情は、感じ切るとスッキリして、次のポジティブな状態へ変化する」という性質があることです。
まるで波のように、始まりがあり、ピークがあり、そして静かに終わっていきます。

セラピストの役割は、クライエントの防衛を無理やり剥がすのではなく、「それほど守らなきゃいけない理由があったんだね」と肯定しつつ、その奥にある「本当は泣きたかった自分」や「助けてほしかった自分」に出会えるようガイドすることなのです。

3. 「トランスフォーマンス」:人は必ず良くなろうとする

私がこの本で一番感動したのが、「トランスフォーマンス(Transformance)」という概念です。

これは、人間が誰しも持っている「変容しようとする力」「成長しようとする力」「つながろうとする力」のこと。

どんなにうつ状態の人でも、どんなに心を閉ざしている人でも、その心の奥底には「良くなりたい」「分かってほしい」という生命力がコンクリートの割れ目から咲く花のように息づいています。

AEDPでは、病理や問題点ではなく、この「キラリと光る健康な部分」を徹底的に探します。
「今、一瞬笑顔になりましたね」「ここに来られたこと自体がすごい勇気ですね」と、ポジティブな兆しをキャッチして広げていく。

そうすることで、クライエント自身の自己治癒力が爆発的に活性化するのです。

4. 言葉以外のサインを見逃さない「トラッキング」

では、どうやってその「コア感情」や「トランスフォーマンス」を見つけるのでしょうか?
そこで使われる技術が「トラッキング(追跡)」です。

言葉の内容(コンテンツ)よりも、「今、ここ」で起きている身体のサインに注目します。

  • 声のトーンが震えた
  • 一瞬だけ目が潤んだ
  • 握りこぶしに力が入った
  • ふっと息が深くなった

「今、少し声が震えましたね。そこで何が起きていますか?」「涙が出てきそうですね。止める必要はないですよ」
このように、身体感覚を丁寧に拾い上げ、介入していくことで、頭(思考)でぐるぐる考えていた状態から、心(感情)の深い体験へと降りていくことができるのです。

私が実際に試して変わったこと

この本はカウンセラー向けの実践書ですが、私は「自分自身の癒し」と「子育て」に応用してみました。
特に、不登校気味で情緒が不安定だった息子との関わりにおいて、劇的な変化があったのです。

以前の私は、息子が「学校に行きたくない」と泣いたり、癇癪を起こしたりすると、どうしても焦って「解決策」を探してしまっていました。
「どうして嫌なの?」「先生に相談しようか?」と、理詰めで迫っていたんです。
それは、息子の「感情」ではなく、私の「不安(防衛)」を処理しようとしていたからでした。

しかし、本書を読んで「ただ、一緒に感情の波に乗るだけでいい」ということを学びました。

ある日、息子がパニックになって暴れたとき、私はアドバイスを一切やめました。
ただ隣に座り、息子の呼吸に合わせて自分の呼吸を整え(波長合わせ)、背中をさすりながら「今は苦しいね」「お母さんはここにいるよ」とだけ伝えました。

心の中では「この嵐、いつ終わるの…」と怖かったのですが、本に書いてあった「感情には必ず終わりがある」という言葉をお守りに、じっと耐えました。

すると、不思議なことが起きたのです。
いつもなら1時間は続く癇癪が、10分ほどで「わあぁぁん!」という深い悲しみの泣き声(コア感情)に変わり、ひとしきり泣いた後、息子がふっと息を吐いて私の膝にもたれかかってきたのです。

「スッキリした。お腹すいた」

その言葉を聞いたとき、私は震えました。
「ああ、これだ。私がすべきだったのは、問題を解決することじゃなく、彼を感情の嵐の中で『独り』にしないことだったんだ」と。

この体験以来、私自身の「うつ」の気配が近づいてきた時も、無理にポジティブになろうとせず、「ああ、今私は悲しいんだな。よし、一緒に泣こう」と自分に声をかけられるようになりました。
その結果、以前のように何ヶ月も寝込むようなことはなくなり、回復が驚くほど早くなったのです。

明日からできるアクション

専門的なカウンセリング技術がなくても、日常で使える「癒しのエッセンス」を3つご紹介します。

  • 「ネガティブな感情」が出てきたら、「なぜ?」ではなく「どこ?」と聞く
    イライラや不安を感じた時、思考で理由を探す前に、「体のどこが反応している?」と問いかけてみてください。「胸が詰まっている」「喉が熱い」など、身体感覚(フェルトセンス)に注目するだけで、感情の爆発を防ぎ、冷静に観察できるようになります。
  • 大切な人が落ち込んでいたら、「解決」せず「波長」を合わせる
    相手が悲しんでいる時、励ますのではなく、相手と同じ声のトーン、同じテンポ、同じ姿勢になってみてください(ミラーリング)。そして「それは辛かったね」とただ繰り返す。これだけで相手は「独りじゃない」と感じ、自ら回復し始めます。
  • 小さな「変化(トランスフォーマンス)」を言葉にして伝える
    自分や相手の中に、少しでもポジティブな変化(声にハリが出た、表情が和らいだ、本音が言えたなど)が見えたら、「今、すごく良い顔をしたね」「勇気を出して言ってくれてありがとう」と言葉にして伝えてください。その一言が、変化を定着させるアンカーになります。

まとめ

本書『あなたのカウンセリングがみるみる変わる!』は、単なる技法書を超えた、人間賛歌のような一冊です。

私たちは、傷つくのも人間関係の中なら、癒されるのもまた、人間関係の中です。
あなたが今、どれほど深い孤独の中にいたとしても、あなたの中には「必ず良くなろうとする力」が眠っています。

感情は、あなたを壊す敵ではありません。
あなたを「本来の自分」に戻してくれる、大切な味方なのです。

まずは自分自身に対して、「辛かったね、今までよく一人で頑張ってきたね」と、最強の味方になってあげてください。
その温かい眼差しが、あなたの世界を変える第一歩になるはずです。

関連書籍

  • 『身体はトラウマを記録する』(ベッセル・ヴァン・デア・コーク 著)
    トラウマが身体にどう残るのか、そしてどう癒やすのかを科学的に解き明かした世界的名著。
  • 『人を育む愛着と感情の力――AEDPによる感情変容の理論と実践』(ダイアナ・フォーシャ 著 / 花川ゆう子 監訳)
    本書の元となったAEDPの創始者による基本図書。より深く理論を知りたい方へ。
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