こんにちは、年間100冊の本を読む40代キャリアカウンセラーのほんまるです。
「最近、新NISAを始めてみたけれど、相場が動くたびにドキドキして仕事に集中できない…」
「いつかFIRE(早期リタイア)したいけれど、本当に今の資産で一生足りるのか不安でたまらない」
そんな、お金にまつわる「漠然とした不安」を抱えていませんか?
実は、世の中の投資情報の多くは「どの銘柄が上がるか」という手法ばかりに偏っています。しかし、本当に大切なのは「自分に最適なリスクをコントロールし続ける仕組み」を作ることだったのです。
今回ご紹介する『ポートフォリオ・マネジメントで一生お金に困らない人になる!』は、元機関投資家のプロ・高衣紗彩さんが、私たち個人投資家に向けて「一生お金の不安から解放されるための戦略」を余すところなく明かしてくれた一冊です。

| タイトル | ポートフォリオ・マネジメントで一生お金に困らない人になる! |
| 著者 | 高衣紗彩 |
| 出版社 | すばる舎 |
| 発売日 | 2024年4月22日 |
忙しい人のための本書のサマリー(結論)
本書の結論は、「早期リタイアを目指すFIREではなく、価値観に基づいた仕事を続けながら資産を増やし続ける『バリューFIRE』こそが、真の幸せをもたらす」ということです。
そのためには、単に株を買うのではなく、プロが実践する「ポートフォリオ・マネジメント」を導入し、自分のリスク許容度に合わせて資産を配分することが不可欠です。
どんな人に読んでほしいか
- 新NISAやiDeCoを始めたが、暴落が怖くて夜も眠れない人
- 今の仕事を辞めたい一心でFIREを目指しているが、リタイア後が不安な人
- 「投資はギャンブルだ」という先入観が捨てられない人
- 自分の本当の価値観を知り、お金と仕事のバランスを整えたい人
『ポートフォリオ・マネジメントで一生お金に困らない人になる!』の要約
1. FIREの罠と「バリューFIRE」という新しい生き方
近年ブームとなっているFIRE(経済的自立と早期リタイア)ですが、著者はその「早期リタイア(RE)」の部分に警鐘を鳴らしています。なぜなら、人間は「今やっていること」に価値を感じている時にこそ幸せを感じる生き物だからです。
仕事を辞めて南の島で過ごす生活は、数週間で退屈に変わります。また、資産を取り崩して生きる生活は、残高が減る恐怖(プロスぺクト理論)との戦いになります。そこで著者が提案するのが「バリューFIRE」です。
- 経済的自立を達成した上で、大好きな仕事を生涯現役で続ける
- 労働による「アクティブ収入」と資産による「パッシブ収入」のダブルインカムを作る
- 死ぬ時が一番資産が多い状態を目指し、不安をゼロにする
2. 投資を成功させるための「脳と心の転換」
どんなに優れた投資手法を学んでも、脳が「消費脳」や「貯蓄脳」のままでは失敗します。投資にメンタルの強さは不要ですが、「前頭前野(論理)」を優位にし、「扁桃体(感情)」をコントロールする「投資脳」への転換が必要です。
投資とは、この喜びを「先送りにする行為」です。喜びを先々まで取っておける、取っておくことにむしろ喜びを感じる、投資にはそういった脳が必要になってきます。(本書より引用)
また、自分の「価値観」を明確にすることも重要です。他人の理想を追うのではなく、自分が本当に幸せを感じる支出を特定すれば、無理な節約をしなくても自然とお金が残るようになります。著者はこれを「資産残留率」という指標で振り返ることを勧めています。
3. 9割の投資家が知らない「リスク」の正体
投資におけるリスクとは「損をすること」ではありません。「期待リターンからどれだけ上下にブレるかという不確実性」を指します。
多くの個人投資家が失敗するのは、この「ブレ幅(標準偏差)」を把握せず、リターンの高さだけを見て投資先を選んでしまうからです。
- 自分の「リスク許容度」を数値で把握する
- 相関係数の異なる(逆に動く)資産を組み合わせ、全体のブレ幅を最小化する
- リバランス(資産配分の再調整)を定期的に行い、リスクをコントロールし続ける
このプロの視点こそが、暴落時にパニックにならず、長期的に資産を増やし続ける鍵となります。
4. ポートフォリオ・マネジメントの実践ステップ
具体的な運用のコツとして、著者は「5資産(国内・外国株式、国内・外国債券、金)」での分散を推奨しています。
いきなり個別株に手を出すのは、ボーゲンもできないのに上級者コースを滑るようなもの。まずはインデックスファンド(パッシブ運用)をコアにし、経験を積んでからアクティブファンドや個別株へ広げていく「コア・サテライト戦略」が王道です。
また、積立投資を加速させる裏ワザとして「ブレイン・アクティベイティング・システム(BAS)」が紹介されています。これは「定期的に積立額を数%ずつ増やす」と脳に指令を出すことで、無意識に収入アップのアイデアをひねり出すという画期的な手法です。
私が実際に試して変わったこと:心の安寧と本業への集中
実は私自身、以前は「とにかく米国株一本で積み立てればいい」という、いわゆるインフルエンサー推奨の投資を鵜呑みにしていました。しかし、少し相場が悪くなると「このまま全財産を失ったらどうしよう」と不安で、深夜に何度もスマホの証券口座を確認する日々。これでは本末転倒でした。
本書を読み、まずは「価値観分析ワーク」を実践しました。すると、私にとっての幸せは「高級車に乗ること」ではなく「静かなカフェで本を読み、キャリア相談に乗ること」だと再確認できました。他人の目を気にした見栄の支出が消え、月5万円の投資余力が無理なく生まれたのです。
さらに、自分のリスク許容度を計算し、債券を組み入れた「負の相関」を意識したポートフォリオにリバランスしました。その途端、市場の変動がただの「想定内の揺れ」に見えるようになり、心がスッと軽くなったのです。
「お金のために働く」という感覚から「大好きなキャリア支援を通じて貢献し、ついでに資産も育てる」という「バリューFIRE」の感覚にシフトしたことで、驚くほど仕事のパフォーマンスも向上しました。
明日からできるアクション
- 自分の「価値観」を書き出し、今の支出が本当に自分を幸せにしているか仕分ける
- 「リスク許容度診断」を行い、現在のポートフォリオのブレ幅が許容範囲内か確認する
- 「資産残留率」を計算し、これまで稼いだお金のうち何%が残っているか直視する
- 3ヶ月分の生活費を「クッション預金」として確保し、心の余裕を作る
- 次のリバランスの日をカレンダーに記入し、放置しない仕組みを作る
まとめ
お金の不安の正体は、常に「分からないこと」から来ます。相場がどうなるか分からない、いくらあれば足りるか分からない、自分が何をしたいか分からない。
本書は、その全ての「分からない」を「ポートフォリオ・マネジメント」という知恵で「想定内」に変えてくれます。
「お金は、あることで不幸せにならないもの。幸せをもたらすのは、価値ある活動(仕事)である」という著者の言葉を、ぜひ噛み締めてみてください。
あなたも今日から、数字を追いかけるだけの投資を卒業し、心から安心して自分らしい人生を楽しむ「バリューFIRE」への一歩を踏み出してみませんか?
関連書籍
- 『DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎるお金の払い方』ビル・パーキンス 著
- 『サイコロジー・オブ・マネー 一生お金に困らない「富」のマインドセット』モーガン・ハウセル 著


