【要約】人は聞き方が9割|好かれる人が無意識に守る最強の習慣

人は聞き方が9割 ビジネススキル・働き方

こんにちは、年間100冊の本を読む40代キャリアカウンセラーのほんまるです。

「自分は口下手だから、コミュニケーション能力が低い……」
「沈黙が怖くて、つい余計なことまで喋って後悔してしまう」
「一生懸命話しているのに、相手の反応が薄くて不安になる」

そんな悩みを抱えていませんか?実は、無理に面白い話をしようとしたり、流暢に喋ろうと努力したりする必要は一切ありません。
今回ご紹介する『人は聞き方が9割』(永松茂久 著)は、そんな私たちの会話に対する思い込みを根底から覆してくれます。

著者は、ベストセラー『人は話し方が9割』でも知られる永松茂久氏。本書では、「会話の主導権を握っているのは、話す側ではなく聞く側である」という衝撃的な事実をベースに、誰でもすぐに実践できる「最高の聞き方」を伝授してくれます。

書誌情報

  • タイトル:人は聞き方が9割
  • 著者:永松茂久
  • 出版社:すばる舎
  • 発売日:2021年12月2日

サマリー(結論)

人間関係の土台は「安心感」であり、聞き方の本質は相手にその安心感を与えることにあります。
人は本来「自分の話を聞いてほしい、認めてほしい」という強烈な欲求を持っており、その欲求を満たしてくれる人を、脳は本能的に「好き」だと判断します。
難しいテクニックを磨くよりも、「相手を全肯定し、気持ちを理解しようとする姿勢」を持つだけで、会話の悩みは9割解決します。

どんな人に読んでほしいか

  • 自分から話題を作るのが苦手で、つい焦ってしまう人
  • 沈黙が苦手で、無理に話しすぎて後でぐったり疲れる人
  • 職場の後輩や部下、あるいは上司との距離感に悩んでいる人
  • オンライン会議で自分のリアクションが薄いと感じている人
  • 大切な家族やパートナーともっと深く心を通わせたい人

なぜ「聞き方」を変えるだけで人生が好転するのか?

私たちは「コミュニケーションが上手い=話し上手」だと思い込みがちですが、実はそれは大きな間違いです。
著者は本書の中で、人間心理の核心を突く言葉を綴っています。

人は誰もが自分のことが一番大切であり、自分に一番興味がある生き物である。
本来、誰もが自分のことを認めてほしいし、自分のことをわかってほしいと熱望している。
人は自分のことをわかってくれる人のことを好きになる。

出典:『人は聞き方が9割』永松茂久 著(すばる舎)

この心理を理解すれば、「聞き上手」がどれほど希少価値の高い存在かが見えてきます。
世の中には自分の話をしたい人であふれていますが、心から耳を傾けてくれる人は驚くほど少ないのです。

つまり、聞き役を極めることは、1億2500万人から求められる存在になることと同じなのです。
話を聞く側になれば、語彙力を増やす努力も必要ありませんし、相手を不快にさせるリスクも激減します。
むしろ、どっしりと構えて聞いている人の方が、周囲からは「器が大きい」「余裕がある」と評価されるのです。

相手が勝手に心を開く「魔法の傾聴」5つのアクション

では、具体的にどう聞けばいいのでしょうか?著者が提唱する「魔法の傾聴」は、スキルというよりも「リアクション」のセットです。

  • 表情:まずは「笑顔の先出し」を意識。相手の感情に合わせて表情をペーシング(同調)させることが重要です。
  • うなずき:「頷き」は「肯き」。相手を肯定しているサインです。強弱をつけて、オーケストラの指揮者のようにリズムを作りましょう。
  • 姿勢:相手におへそを向ける「前傾姿勢」で聞くことで、「あなたに関心があります」というメッセージを届けます。
  • 笑い:自分が面白いことを言う必要はありません。相手の話に全力で笑うこと。これが最大の共感になります。
  • 感賛(感嘆+称賛):「わあ!」「すごい!」をセットにする造語。相手の話に対してオーバーなくらいの驚きとほめ言葉を投げ返します。

特に重要なのが、「1+1は3」と言われても否定しない空間作りです。
会議や日常会話において「正解を出すこと(ピンポン病)」や「ジャッジすること」をやめるだけで、相手は驚くほどイキイキと話し始めます。

これだけは避けて!絶対にやってはいけない「嫌われる聞き方」

好かれる前に、まずは「嫌われないこと」が先決です。無意識のうちに相手の心を閉ざしてしまう、やってはいけない「NG聞き方」を整理しましょう。

  • 否定しない、自分の常識を押し付けない:「それは違う」「普通はこうでしょ」は禁句。自分とは違う価値観をまずは受け止めましょう。
  • 答えや解決策を初めから言わない:多くの相談者は解決策ではなく、「感情の共有」を求めています。「あなたはどうなったら嬉しい?」と問いかける伴走者になりましょう。
  • 「でも」「だって」を封印する:逆説の接続詞は、相手の脚本を勝手に書き換える行為です。まずは「そうだよね」と受け止めるのがルールです。
  • 干渉しすぎない、秘密を漏らさない:相手の言いたくないブラックボックスには触れず、聞いた話は「墓場まで持っていく」誠実さが信頼を生みます。

【体験談】私が実践して変わったこと:頑固な相談者が笑顔になった瞬間

私は普段、キャリアカウンセラーとして多くの方の悩みを聞いています。しかし、正直に告白すると、この本に出会う前の私は「聞き上手」とはほど遠い状態でした。

相手の悩みを早く解決してあげたいという一心で、相手の話を遮って「それはですね……」とアドバイスを被せていたのです。カウンセリングが終わるたび、私は「良い提案ができた」と満足していましたが、相談者の方はどこか浮かない顔で帰っていくことが何度もありました。

そんな時、本書を読んで「解決しなくていい、ただ寄り添うだけでいい」という言葉に衝撃を受けました。早速、再就職に苦戦し、非常に頑固で他罰的な発言が多い50代の男性クライアントに対して「魔法の傾聴」を実践してみたのです。

彼が社会への不満をぶちまける中、私は一切反論せず、深い深いうなずきと、「それは本当にお辛かったですね」という共感だけに徹しました。以前の私なら「でも、現実は厳しいですから受け入れないと」と説教をしていたはずです。

すると、30分ほど経過した時、彼の目に涙が浮かびました。
「……こんなに真剣に話を聞いてもらったのは、何年ぶりだろう。自分の考え、ちょっと極端だったかもしれませんね」
あんなに頑固だった彼が、自ら自分の間違いを認め、最後には満面の笑顔で「明日からまた頑張ってみます」と握手を求めてくれたのです。

私がしたのは、ただ「聞いた」だけ。しかし、それこそが彼が何よりも必要としていた「安心感」の提供だったのだと、身を以て体験しました。

明日からできる3つのアクション

  1. うなずきを「いつもの3倍」深く大きくする
    特にオンライン会議では、オーバーなくらいが丁度いいです。相手はそれだけで「自分の話が伝わっている」と安心します。
  2. 「そうだよね、わかるよ」を口癖にする
    内容への同意ではなく、「あなたの感情を理解しました」というサインとして使いましょう。これが心の扉を開くキラーワードになります。
  3. スマホを置いて、相手に「おへそ」を向ける
    大切な人と話す時は、物理的にスマホを隠しましょう。全身で「あなたに集中しています」という姿勢を見せるだけで、信頼度は爆上がりします。

まとめ

会話が上手いかどうかは、生まれ持った才能ではありません。「聞き方」というスキルの選択肢を知り、それを実践するかどうかの違いだけです。

著者は言います。「聞いてくれる人がたった1人でもいることで、救われる人がいる」と。
あなたが「最高の聞き手」になることは、あなたの周囲にいる大切な人たちを救い、そして巡り巡ってあなた自身の人生を、豊かで安心感に満ちたものに変えてくれます。

話なんか下手なままでいいんです。ただ、目の前の人の心に、毛布をかけるような温かい聞き方を始めてみませんか?

あなたの明日からの会話が、もっと楽で、もっと温かいものになることを心から願っています。

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  • 『喜ばれる人になりなさい』永松茂久:著者の原点、お母様とのエピソードから「人のために生きる」本質を学べます。
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